布団の中でみる夢。

 

わたしは一日の半分以上を布団の中で過ごしています。

布団の中で一日の半分以上を過ごすなんて、退屈だと感じるかもしれませんが、そうでもありません。布団の中でできることは、睡眠以外にもたくさんあるのです。

それはSNSのチェックだったり、読書だったり、アニメ鑑賞だったり、ゲームだったり様々です。そうして過ごしてるうちにあっという間にわたしの一日は終了します。

 

わたしが布団から出るのは、お腹が空いたときと、トイレに行きたくなったときだけです。まるで病人のような生活で、笑いたくなってきます。わたしの身体はどこも悪くありません。

 

わたしは自ら望んで布団の中で過ごしています。遊びに誘ってくれる友人もいないですし、お金もないのでどこかへ行こうという気にもなりません。そんな生活を続けていたら服を着替えるのすら面倒になってきて、最近は近くのコンビニに行くのも渋るようになってきました。

 

このような生活に嫌気がさすこともあります。自分ってなんだろう、情けないな、格好悪いな、もう大人なのにな……だけどそう思うことに心地よさも感じます。ダメ人間である自分に酔いしれるのは最高に気持ちがいいです。気持ちよくて、涙と鼻水が出るくらいです。

 

わたしは布団の中で空想して遊ぶことがよくあります。頭の中でなりたい自分を思い描くのです。絵が上手くなりたいなあ、歌がうたえるようになりたいなあ、お裁縫ができるようになりたいなあ……。そうしてるうちに、気づけばいつも眠ってしまっています。

 

布団の中は、わたしにとって蛹のようなものです。外の世界からわたしを覆い隠してくれる、安心できる場所。わたしは布団にくるまり、今日も夢を見ています。なりたい自分の夢を。

 

蛹の殻はいつか破け、立派な蝶になるものですが、わたしはずっとわたしのまま……。蛹はずっと蛹はのまま……。

 

芋虫から、蛹へ。蛹から蝶へ。蛹の中にいる芋虫は、蝶になることを夢に見ているのでしょうか。わたしはいま、そんなことを考えています。布団を頭までかぶり、丸くなりながら。